シニア専門のアマチュア劇団「かんじゅく座」の有賀等さん(仮名・72歳)、高齢の男性がひとり佇(たたず)み、手を伸ばして絞り出すような声で叫ぶ。彼の迫真の演技には理由があった・・・
お札

有賀さんは60歳で定年後、娘に勧められてシニアの俳優養成所に入り、その後66歳でかんじゅく座に入団した。「63歳のときにお袋が死んだのですが、介護のために定年の数年前から女房と別居しました。女房とお袋の反りが合わなくてね」

 有賀さんが家を出て母と団地で暮らしたが、母が亡き後はまた妻と住みたいと思い、そんな話を妻に持ちかけていた。だが目論見は見事に外れた。「介護職をしていた娘が北欧に勉強に行くと言ってね。女房もついていくという。すぐ帰ると思ったらそのまま帰らないんだ」

 有賀さんは飛行機が苦手で乗ることができない。親戚に現地まで行ってもらうと、娘だけでなく妻まで仕事を探して楽しく暮らしていた。ふたりからはまったく連絡がない。まさに冒頭の台詞のとおり、「置いていかれた」のだ。 別居してすでに15年。有賀さんは離婚を決意しているという。今は実母が晩年住んだ築46年の3DKの団地に一人で住み、年金(約12万円)を生活費に回し、団地のパトロールを月約1万円でするほか小学生が横断歩道を渡るのを見守る交通整理のバイト代(1万3千円程度)を演劇の月謝に充てている。退職金の数千万円は通帳ごと妻に持っていかれており、今後の生活は不安だ。独り身のせつなさが押し寄せ、団欒(だんらん)を思い出す正月がつらいという。

 高齢者の環境が変わると痛手が大きい。精神科医の和田秀樹さんは言う。
妻が専業主婦だった場合は、家事などをすべてする心理的な「お母さん」になっているので、男性は「伴侶」と「母親」の両方を失うことになり打撃が大きいのだという。共稼ぎの場合は、家事を分担しているケースも多いので妻への過度な依存はないが、愛情の深さは悲しみの深さに比例するという。
http://news.livedoor.com/article/detail/10978685/


妻に捨てられる夫はよく聞きますね。今回の場合は退職金まで持ち逃げされましたが、何がいけなかったのかを考えると切なくなりますね。