借金のカタに・・・結婚
親の借金のカタに、嫁入りさせられていた女性の話です。
本人はお金のことは知らず結婚したのですが、
朝4時起きで夫や舅姑にコキ使われ続け・・・
昭和ではよくありがちな話でしたが、
今のこの時代でも、借金のカタに結婚なんてあるのですね。
恐ろしい。


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「今回は、親の問題のせいで結婚がダメになってしまったというのではなく、親の借金のカタに結婚させられたというアキコさん(43歳)の話です」と語るのは、男女関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さん。

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今の時代珍しいような実話を、亀山さんがレポートします。



◆親がセッティングした見合いの相手は……

「ずっと夫のモラハラに耐えてきたのも親のためでした。私が実家に逃げ帰ったりしたら親が困ってしまうから」

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 アキコさんが住んでいるのは関東のとある町。実家は祖父の代から続く町工場である。彼女は四姉妹の長女。今、工場は次女がその夫とともに継いでいる。

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「私は短大を出て会社勤めをしていました。26歳のとき、親に呼び戻されて見合いをしてほしいと言われて。当時つきあっている人もいなかったし、見合いするだけで顔が立つからと親が困った様子で言うので、見合いだけならと引き受けたんです」

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 相手は30歳。少し離れた町で会社を経営する人のひとり息子だった。父と社長は、仕事上での関係があったらしい。

「私は見合いするだけと思っていたので、特に相手をチェックもしなかった。ふたりだけで喫茶店に行きましたが、彼の話を聞いていただけ。でも後日、気に入ったから、どうしても嫁に来てほしいと言われていると親が言い出して。

 私は結婚する気などまだないと言ったんですが、『こんなにいい話はない。あちらの会社は業績がいいし、息子も人柄がいい。いずれは社長夫人だ』と両親がこぞって勧める。まあ、仕事で出世が望めるわけでもないし、親を安心させるためにも結婚しようかと安易に考えてしまったんです」

 ところが実際に結婚してみると、彼女の負担は大変なものだった。5階建てのビルの1階と2階が会社、その上が寮と家族の住居となっているため気が休まるヒマがない。朝4時起きで家族と寮に住み込みで働く若い社員たち6人の朝食作り、昼は会社で働きながら洗濯、掃除などの家事もしつつ昼食の準備、さらに外回りの仕事もしながら夕食作り。夜、みんなが入り終わった最後の風呂に入るのは日付けが変わるころだ。ドロドロの湯船に入り、そのまま風呂掃除もする。

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◆「出ていくなら今すぐ金を返せ」

 疲れきって熱を出して寝込むと、夫は枕を蹴飛ばした。

「何のためにウチにいるんだよ、働けよ」

 そう言われたとき、「私は労働力として嫁に来たのか」と痛感した。夜になると、夫は「同業者との寄り合い」と言って飲みに行ってしまう。どうやら女もいるようだ。姑と夫がひそひそ話しているのが聞こえたことがある。

 夫は酔って帰っては“夫婦生活”を強要した。

「妊娠しても働き続けました。切迫早産の恐れがあって入院したときだけですね、休めたのは。それでも姑や夫は『入院なんかしやがって』という感じでした」

 最初の子は女の子で、舅姑も夫もチッと舌打ちをしていた。2年後に男の子が生まれたときとは反応がまったく違っていたという。

「子育てはほとんど姑にとられました。自分の子なのにめったに自分で抱くこともできない。幼稚園の送り迎えも姑。自分ができないときは知らん顔する。10年間、がんばりましたけど、とうとう私、気持ちがキレてしまって。あるとき、ふたりの子を連れて実家に戻り、もう帰りたくないと言ったんです。でも両親はとにかく戻れとしか言わない。もう死にたいとさえ思いました」

◆自分は借金のカタに嫁入りしていた……夫に知らされた衝撃の事実

 家に戻ると、夫がにやりとしながら言った。

「おまえ、実家に行っただろう。おまえが実家に戻るなら、あの工場が倒産しかかったときに出してやった3千万円を今すぐ返せって父親に言ってやれよ。それから子どもは絶対渡さないからな」

 そのときアキコさんは初めて知ったのだ。自分が結婚したことで、夫の実家から父親にお金がわたり、父親の工場が持ち直したことを。

「私は借金のカタに売られたも同然だったんです。だから夫サイドにしてみれば、働けるだけ働かせたかったんでしょう。すべてが腑に落ちた。もう自分ではどうにもならないんだなと諦めもつきました」

 それからは夫一家に仕えるしかないと自分を押し殺して生きてきた。

「ただ、先日、15歳になった娘が私にひっそり言ったんです。『おかあさん、私が大人になったら一緒にこの家、出ていこうね』って。娘は全部見抜いている。娘には大学までいってもらいたいです。姑は高校まででじゅうぶんだと言っていますが、娘には専門知識を身につけてひとりで生きていけるようになってもらいたい。私は娘の人生の邪魔はしないつもりです」

 実家の両親には、真実を知ったことを知らせていない。今も町工場で必死に働く両親や妹たちに負担をかけたくないからだ。

「私を犠牲にせざるをえなかった両親の気持ちを考えると哀しいです。たまに両親に会うと、妙に卑屈(ひくつ)になっている。だからあまり実家にも立ち寄らないほうがいいのかなと思って」

 アキコさんの目が潤む。いつかは義父母もいなくなり、社長夫人となる日がくるのだろう。だが、その立場を彼女がよしとするのかどうか。なんとも釈然としない思いが残った。
https://bit.ly/2SRP1rK

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