貧乏おじさん
高校3年のとき、16歳年上の貧乏男性に恋をした女性。
男性には「ガキに興味はない」の1点張りで相手にされず、
なんとかメールだけの関係が数年続いたそうです。
それでも女性は諦めず、知り合ってから6年後・・・
果たして二人の結末は?


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年上の男性に憧れる若い女性は多い。特に10代の頃はやたらとスーツ姿の男性がカッコ良く見えるそうだ。さらにポイントが高いのが、アウトロー気味のイレギュラー感あるおじさん。

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偶然出会った大人に恋をし、長い年月をかけて成就させた元少女がいる。年上男性にアタックし続けた彼女のエピソードを紹介しよう。



◆女子高生が惚れた相手は無精ヒゲのおじさん

 一昨年大学を卒業し、大手企業に無事就職したNさん(25歳)は、高3の頃から追いかけている男性がいた。

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「初めて出会ったのは大学受験直前の不安定な時期。明らかに年上、もう親戚のおじさんレベルの年齢だと一目でわかりましたが、それでも夢中になっちゃいました」

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 市内随一の進学校に通っていたNさん。毎日繰り返されるハードな受験勉強の息抜きは、駅前のドン・キホーテに行くことだった。

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「ゴチャゴチャしていて、いろんな人がやって来て、店前の道路で中高生がたむろしていて。なんというか、アンチ優等生的な空気感が楽しかったんです」

 予備校帰りの宵の口、いつものようにドンキでメイクグッズやお菓子を物色し、会計しようとした時のこと。

「晩御飯前後の時間帯で、3台並んだレジはすべて行列。どこかピリピリした雰囲気のなか、隣の列にテンション高い男子大学生2人が割り込みました」

 ウザい、誰か注意しないかと思った瞬間、低い声で「オイッ!」と一声が……。

 声の主は、列の後方に並んでいた男性だった。ボサボサ頭に無精ヒゲ。袖まくりしたシワだらけのシャツを、第二ボタンまで開けたおっさん。眉間にシワを寄せ、ケンカ腰気味に振り向いた大学生だったが、ヒゲの男性が威圧するように一歩前へ踏み出すと、口を尖らせてレジから離れていった。

「あまり清潔感がなく、母ならチンピラ扱いしそうな人でしたが、私は釘付け。一目惚れでした」

 先に会計が済んだ彼女は、店の前で男性を待つことにした。

「今思えば、どうしてあんなにアクティブだったのかわかりません。きっと、受験ストレスでおかしかったんでしょうね」

 男性が出てくると、彼女は出会い頭に話しかけたそう。

「すみません! カッコ良かったです。友達になってください! そんな感じのことを一気に伝えました。反応は超無愛想。怪訝(けげん)な顔されて、何? あぁ、ありがと。みたいな。そりゃそうですよね。いきなり制服姿の女子高生が絡んできたのですから」

 イマイチなレスポンスでも彼女はめげず、スタスタと歩いて行く男性を追いかけた。

「『LINE教えてください!』『やってない』『 じゃ、メアド教えてください』『覚えてない』。すごく不機嫌そうな態度で、まったく取り合ってくれず、目も見てくれない。それでも私は引き下がらなかったです」

 男性から口を聞いてくれたのは2分ほど歩いたのち。

「もう、家着いたから。暗いし気をつけて帰って。とだけ言って、相変わらず振り返りもせずアパートの部屋に入っちゃいました」

 とはいえ、部屋番号をしっかりチェックしたNさん。考えた末に翌日の夕方、直接アパートに突撃することにした。

 どう見てもファミリーで住むような環境ではなく、恐らく独身だろう。呼び鈴を押して数秒後、無言で扉が開く。

「え? と、困ったような表情。私は再び、友達になって欲しい、連絡先を知りたいと。ちょっと待ってと、おじさんは言い、室内から名刺を持ってきてくれました」

 名刺を渡すと、すぐに彼は扉を閉めた。ガチャリと鍵までかける音が聞こえた。とはいえ、名刺をもらえたのがとにかく嬉しかったという。

「生まれて初めてもらった名刺ですし、とても特別なことだと思ったんです」

彼の名刺には“デザイナー”という肩書きが。

「さらにワクワクしました。なんのデザイナーだろう? もしかしたら有名な人かも! 名刺にはPCのメールアドレスやホームページが載っていたので、帰り道に早速アクセスしてみました。以来、メールでのコミュニケーションがスタートしました。雑誌やウェブページのデザイン作成を、フリーランスで請け負っていること。私より16歳上で独身。借金はないけど貧乏で、彼女もいない。などなど、しばらくすると、お互いについての情報は大体交換できました」

◆メールだけの関係が数年、そして…

 それからNさんは何度も食事やデートに誘ったのだが、ポジティブな返事をもらえることはなかった。「ガキに興味はない」の1点張り。しかし、メールだけでもじゅうぶんに楽しく、ずっと恋人気分だったという。

 それから結局、顔を一切合わせないメールだけの関係が2年近く続いた。

「受験先に迷った時、バイトや大学での人間関係に悩んだ時、親と喧嘩した時、なんでも相談にのってもらい、彼のアドバイスをなにより尊重していました。決して長文ではないのですが的確で、間違いもなかったんです」

 成人式の晴れ着姿をメールすると、返信に珍しく添付画像が。

「花束でした。特別に大きいブーケではなかったのですが、もう嬉し泣きが止まらず。実際に受け取りたいと言うと、意外にもOKがもらえたんです」

 成人式のあと、同級生との飲み会もそこそこに彼のアパートへ。

「初めて顔を見合わせながら話をしました。多少は緊張しましたけど、毎日メールしていましたから違和感はなかったです」

 その後、彼氏のようなお兄さんのような、なんともいえないフンワリとした関係になったそうだ。

「彼のほうが私に踏み込んでこないんです。この先、ほかにもっと好きな人が必ずできるよ、いつでも別れられるようにしておこうって、ケロッと言い放つんです」

 ところが、淡々と過ごす彼に対し、Nさんのテンションは高いまま。

「束縛せず、俯瞰で私を見てくれるのが頼もしくて、彼なしでは何も考えられないし、決められもしない状態がずっと続いていました」

◆6年越しの恋の結果、40代になった彼と結婚へ

 ファーストコンタクトから6年以上経過し、Nさんは立派な社会人になった。

「少しは経験を積み、いろんな人と出会いました。だけど、彼以上に素敵だと思う人、好きになれる人はいませんでした。これからもいないでしょう」

 ブランドバッグを買ってもらったり、高級ホテルに泊まったりといった、憧れの恋人生活は送れなかった。しかし、子どもから大人になろうとする難しい時期を、ずっと見守ってくれた彼への思いは深い。

「私のスーツ姿もだいぶ板についたと思っています。実は先日、両家の顔合わせを済ませました。最初は猛反対していた私の親も、今では納得してくれています。あとは孫の顔でも見せれば文句なしでしょうね」
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