認知症
脳の疾患である認知症。
まじめで穏やかな人が、ある日突然「犯罪者」に変わることがあります。
高齢の夫が妻を手にかけ・・・認知症の影があったようですね。
考えされられる事件です。


女子と貧困 乗り越え、助け合うために [ 雨宮処凛 ]
今日、ホームレスになった 15人のサラリーマン転落人生 [ 増田明利 ]

貧乏・生活苦ランキング ← あまりの貧困に、切なすぎて泣ける

2016年夏。神奈川県の40代男性は、警察署2階の留置場で父(82)と面会した。アクリル板越しの父は険しい表情で口を固く閉じたまま。男性は絞り出すように言った。「お父さんに全て押しつけて我慢させすぎちゃったね。ごめんね」

 その数日前、父は自宅で統合失調症の母(当時79歳)を殺害したとして逮捕された。家事ができない母を約50年間支えた父。事件の引き金となったのは、自らの認知症だった。

 タクシー運転手だった父が母と結婚したのは1966年。夫婦仲は良く、ハンドルを握らない日は日帰りで旅行に出かけた。

 一人息子の男性が高校に入った頃、母の統合失調症が悪化。誰もいない部屋で怒鳴り続けたり、黙り込んだりし、父にも冷たく当たった。「あなたのお父さんは別の人。あそこにいるのはただの同居人よ」。母がそう言うのを聞いて、男性は実家で暮らすのに耐え切れず、20歳を過ぎて家を出た。今は配送業に従事している。



 父は母の不満を一切漏らさなかった。定年までタクシー運転手としてまじめに務め、母の代わりに家事をこなした。男性が「なんで離婚しないの」と尋ねても、父は笑って否定した。「お父さんが元気なうちはお母さんの面倒を見るから、おまえは自分の人生を歩んでな」

 父の異変に気付いたのは15年春。「おかしな行動をして困る」と母が連絡してきた。風呂の沸かし方が分からなくなり、湯飲みがないのに何度もお茶をつごうとした。男性が病院へ連れていくと、診断は「レビー小体型認知症」。幻視や幻聴、抑うつ症状が表れる病気だった。

仕事休んでうつ地獄に行ってきた [ 丸岡いずみ ]

トラコミュ   ネギも買えない・・・貧乏生活 ≫   借金がある主婦の完済計画

 男性は小売店での配送が早く終わった日は実家に顔を出し、休日は両親の通院に付き添った。ヘルパーの女性が週2回、風呂や身の回りの世話をしたが、父が母に手を上げるところは一度も見なかったという。

 16年夏。事件は前触れもなく起きた。午後11時ごろ、父は寝ていた母の首にひもを巻き付けて殺害。翌朝、自ら警察署に電話し、自首した。動機は「家事をしないことへの不満」とされたが、地裁は「一切暴力をふるうことなく生活してきたのに突如、殺害を実行するのは正常な心理状態ではない」と指摘。認知症の影響を認め、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)の判決が確定した。

節約・節約術ランキング ← 最新を知ろう

 昨年5月から、父は特別養護老人ホームで暮らし、月1回、男性の付き添いで精神科に通院する。当初はホームの職員に「お母さんに悪いことをした」「お母さんはどこに行った?」などと話しかけることもあったが、「忘れさせてあげたほうがいい」という医師の助言で、男性は母の話題をしないようにしている。

 男性が実家の整理をしていると、タンスの上から古いアルバムが出てきた。酒も賭け事もしない父の趣味は、家族や花の写真を撮ることだった。写真の中で紫色のワンピースを着た母は、あじさいの前で幸せそうにほほ笑んでいた。

 「どうすれば事件が防げたんだろう」。男性は今でもそう考えるが、答えは見つからない。
https://goo.gl/e8Ggru

もしかしたらこの老夫婦は、
今でも笑いながら二人で生活していたのかもしれません。
どんな事件でも、日常の裏側に潜んでいるようです。